マダム・チャンの日記

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zoom RSS 『万引き家族』に思い出したこと

<<   作成日時 : 2018/06/18 08:06   >>

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『万引き家族』を見てきた。
是枝監督も言っていたが、六人の「家族」を演じた役者が
本当に素晴らしかった。
六人だけじゃない。駄菓子屋のお爺さんの江本明も
JK風俗の客の池松壮亮も、安藤サクラのクリーニング店
の同僚役の女優さんも、みんな自然ですごくて、是枝監督は
役者の演技を引き出す何かがあるんだろうな。柳楽優弥君に
14歳でカンヌの主演男優賞を取らせただけのことはあるとつくづく思う。

そんな素晴らしい映画なのに日本の貧困を描いていることに
非難の声があるとか。それを知って思い出したことがある。
今から20年以上も前のこと。
山東大学で教えていた時に『秋菊の物語』が公開されたので
学生たちと見に行ったところ、感動しているのは私だけで、
中国人学生たちの反応は冷たかった。
聞けば、「あんな遅れた農村の農民を描くのは恥さらし」
「村長があんなふうにしゃがんで、あんな大きなお碗で麺を
ズルズル食べたりしない」などと不満が噴出。
その数年後にハルピンで黒竜江省の役人たちと映画の話になった
時も張芸謀は評判悪かった。中国の醜悪な部分を誇張して描いて
外国人が喜んでいると言うのである。

大学生にも役人にも、私は今村昌平監督の『楢山節考』がカンヌ
でグランプリを獲った時、日本人は素直に喜び、讃えたよと言った
ものだ。そういうことを言うのは自国に対する自信のなさの表れと
までは言わなかったものの。
今の日本人が『万引き家族』を日本の恥をさらしていると思うのなら
それは今の日本に自信が持てないからだ。

私はむしろ現実はもっと厳しいと思って見た。
貧しさにつきまとう暴力がなく、寄り添って慎ましく生きる「家族」を
描いている点は昔の日本映画に通じるものすら感じた。
パルムドールを獲ったのは当然ともいうべき映画だと思う。
ちなみに平日の昼間のシネコンはほぼ満席で普段あまり見かけない
お年寄りが非常に多かったのも嬉しかった。
この映画がヒットしていることに日本に対して失いかけていた希望を
感じることができた。

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