馮小剛監督との楽しい2日間

昨日と一昨日は『戦場のレクイエム』の馮小剛監督に
ずっとはりついてマスコミの取材や記者会見、
舞台挨拶の通訳をした。
監督とは去年の横浜映画祭でも、なんと12年前の
北京での日中監督シンポジウムでも会っているが、
これだけ長い時間一緒にいたのは初めて。
たまたま今年の前期は早稲田で監督の『手機』を
教材に使い、改めて監督の作品の面白さを再認識
していたので通訳するのは本当に楽しみだった。

予想に違わず、監督の質問に対する答えは「妙語如珠」で、
一番楽しませてもらったのは取材した記者さんたちではなく、
たぶん私だったろう。
監督を私が知ったのはテレビドラマの脚本演出家としてであり、
『編集部的故事』『北京人在紐約』『一地鶏毛』は
中国にいた時に毎日の放映を逃すまいと見たものだ。
さらに脚本を手がけた夏剛監督の映画『再見のあとで』は
その後、97年から始まった一連のお正月映画のコメディの
原型とも言うべき作品だった。
監督はあくまでも娯楽映画の監督であり、
自分は批評家や審査員ために映画を撮ったことは一度もない、
あくまでも観客のために映画を撮るのだと言う姿勢がすがすがしい。
私も98年からは監督の映画を見るために毎年正月休みに
中国に行っていたようなものだ。


記者さんたちが記事にすると思うので、ここには書けないが、
中国映画界についても、
オリンピックの開幕式についても、
スターを使うことについても、
本当に正直に自分の思っていることをありのままに話す。
(まあ、そういう人だろうとは思ってはいたが)
監督についてきた中国の製作会社の海外担当の台湾人女性も、
「中国の監督はなかなか心で思っていることを言わない監督が
多いけれど、この監督は違う。本当に裏表がないのよ。」
と言っていた。
今回は8月から9月にかけて北海道で久々のお正月コメディ
『非誠勿擾』を撮影し終えたばかりだ。
聞けば、7月に息子と旅行したのとほとんど同じ道東ルートで
ロケをしていて、
主演の葛優とスーチー、カメラの呂楽以外はほとんど日本人
スタッフというクルーだったそうだ。
中国ではクリスマスに公開されるとか。
今年も正月は北京に行く予定なので、息子を連れて見に行く
つもりだ。

私と監督は同い年。
初日の夜、夕食の後、ホテルのバーでワインを飲みながら
監督が、
「あっと言う間に50だもんなあ。」と言い、
でも、もう疲れたよ。60になったら映画監督はやめるんだ。
時代についていけなくなったら、しがみついていたくない。」
と言うので、
「でも、60になったらなったで、なかなかやめられないと思うよ」
と言うと、
「60になった時にまだ撮っていたら、50の時に
こう言ってたのにと思い出させてくれ」
最近、謝晋監督が亡くなったが、
晩年の作品はやはり黒澤明同様、どうなの?という
作品ばかりだったから、
しみじみとくるものがあるのかもしれない。

今日はこれから出動なので、地下鉄の中でもう一度
監督のエッセイ「我把青春献給NI」を読み直してみようと思う。



















































この記事へのコメント

みみ
2008年10月25日 22:43
舞台挨拶での監督のお話からもそのお人柄が伺えとても楽しかったです。やはり監督さんや俳優さんたちの生の声が聞けることができるのが映画祭のよさですね。襟川さんが監督ったらせっかちなのね・・・にも笑ってしまいました。
マダム・チャン
2008年10月26日 07:32
当意即妙のユーモアのあるやりとりでしたよね。
司会がクロさんで本当に良かった。
確かに監督は「急性子」で私が通訳し終えない
うちに次を話し始めることもしばしばでした。
QOO
2008年11月03日 17:17
ミーハー好きの私が好きな渋めの俳優は、葛優なので、馮監督の映画は、いくつか見てて、面白いし、好きですが、今までは、日本での中国映画枠では、文芸作品かアクションが多くて、監督の映画のような作品はあまり注目されませんね~
少し、残念・・
マダム・チャン
2008年11月03日 17:34
中国では圧倒的に人気の監督ですけどね。
今度の新作は北海道ロケだし、ひょっと
したら日本で公開されるかもしれません
よ。もちろん主演は葛優です。乞うご期
待。
美幌音楽人
2008年11月09日 06:50
イランカラプテ、マダム・チャン
いま、貴サイトを愉しく拝見しました 内容充実 見やすく 良いサイトですね これから楽しみです、どうぞよろしく。
馮小剛監督『非誠勿擾』日本公開を期待します。女優の土屋貴子さんから馮小剛監督『非誠勿擾』北海道ロケのことを聞いていました。土屋貴子さんの出演が楽しみです(カットされている?)。
マダム・チャンさんへ
冬の北海道 オホーツク旅行に、どうぞおいでください。
健康留意、がんばれ。
masaokato.jp
マダム・チャン
2008年11月09日 14:46
美幌音楽人さん
お褒めいただいて恐縮です。
「非誠勿擾」のロケ地がまったく我が家の
夏の旅行のルートだったのもうなづけます。
本当に美しい景色でしたから。
自然の景色に感動したのはイギリスの田舎
に行った時以来です。
冬のオホーツク、ぜひ行きたいです。
息子が中学に入った頃かなあ。
これからも応援よろしくお願いします。
美幌音楽人
2008年12月20日 18:41
馮小剛『非誠勿擾』
中国で好評(満員)スタートしたそうです。
非誠勿擾主題曲《信以為真》
予告(youtubeの動画)、
北海道の美幌町「美幌峠」「屈斜路湖」
を確認しました。本当にうれしいです。
俳優の土屋貴子さんもカットされずに
出演しているそうです。ヨカッタ。
馮小剛監督『非誠勿擾』中国映画、
日本公開が本当に楽しみです。
マダム・チャンの情報が楽しみです。
masaokato.jp
マダム・チャン
2008年12月20日 19:00
クリスマス公開と聞いてたけど、
少し早かったんですね。
私は30日に北京に着いたその足で見に行く
つもりです。北海道ロケで現場通訳をして
いたタンタンさんと一緒です。
数日前は朝日の「ひと」欄に加藤千洋さん
の紹介記事が載ってました。切り抜いて
持って行ってあげるつもりです。

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