マダム・チャンの日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 『芳華』

<<   作成日時 : 2018/03/08 20:55   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 8 / トラックバック 0 / コメント 0

日中友好条約締結40周年記念の中国映画祭ということで
そのオープニング作として上映された『芳華』を観てきた。
オープニング・セレモニーに馮小剛監督が出席するかと
期待したら、監督はちょうど会期中の全人代に政治協商
委員として出ているため、動画でのメッセージのみ。
監督らしくないすごく形式的な挨拶で、思わず前作の
『わたしは潘金連じゃない』の全人代の諷刺
を思い出して笑ってしまったけど。

197,年から2017年の日中の映画交流を記念するこのイベント
のオープニング作として、この映画はぴったりだったと思う。
というのも1976年から1978年の青春を主に描いているからだ。
監督と映画の原作者の厳歌苓は1958年生まれ、映画の
主人公たちと同じく当時人民解放軍の文工団にいた。
監督は舞台美術担当、作家はヒロインたちと同じバレリーナ。
映画の中の萧穂子は作家の分身だ。

つまり、言ってしまえば今年還暦を迎える2人の老人が
かつての自分たちの青春を懐かしむ話なのだが、
文革、中越戦争、その後の改革開放時代と、
時代の荒波に否応なしに巻き込まれた人々の話でもあるため、
胸をしめつけられる切なさがある。

それでいて、苦しいまでに恋した相手が客観的に見れば
なぜその人なの?と思う恋愛の不条理や、
女の子たちの集団にありがちないじめなど、
いつの時代にも共通する普遍性が描かれていて、
あの時代を知らない人にも共感を呼ぶ映画である。
主役の劉峰を演じた黄軒は、この役は彼しかいないと
思うほどのはまり役だったし、
何人かのヒロインたちがみんな新人で舞踊出身である点も
新鮮味があって良かった。

実は私は監督や厳歌苓と同い年であり、中国との縁もだいたい
この時代に始まっている。
高校で初めてバレエ「白毛女」を見て、
毛沢東の死を遠い国の出来事として何の感慨もなく知り、
大学に入り、中国文学を専攻して生の中国語を聴けるというので
聴きはじめた北京放送は中越戦争のことばかり。
そんな40年前を鮮やかに思い出した。
監督たちとはあまりに違う日本の70年代を過ごしてきた私だが、
この映画の切なさは共感できる。

馮小剛監督は10年前、『戦争のレクイエム』のプロモーションで来日した時、
60になったら監督をやめると言っていた。
私が「そんなこと言ってもやめられないのでは」と言うと
「60になってもまだやっていたら、言ってくれ」とも。
私は監督にはこれからもまだまだ中国の庶民の歴史を撮り続けて
欲しいと思う。
撮れば撮るほど作品が深みをましてくる監督なんて
中国広しと言えども、この監督しかいないからだ。
映画の興行収入は19億元だったとか。
決して娯楽作品ではないのに素晴らしい成績を残せたことに
失いかけていた中国映画への希望を見た思いだ。



月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 8
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い 面白い
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『芳華』 マダム・チャンの日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる