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岸田今日子さんの遺作に刺激されたというわけでもないが、 たまたま新聞で読んだ演劇集団円の公演が面白そうだった ので、同劇団に所属する女優の友人に頼んでチケットを押さ えてもらう。 最前列のベンチシートということで通常価格より1000円も安い。 ちなみにタイトルにちなんで「田中」姓の人は誰でも1000円引きだそう。 銀座線田原町駅近くのステージ円に初めて足を運んだ。 面白かった。新劇の舞台って昔見ていた頃は何だかもっともらしくて 偉そうで、つまらないなあと思うことが多かったのだが、 これも時代なのか、新劇といえども軽いタッチでノリがいい。 小劇場演劇とほとんど変わらない。 脚本家と演出家が結構若いんじゃないかと思う。 初めは世代も異なる女優五人の1人芝居が続いて、 五人の間には何の脈絡もなさそうなのに、 なぜかどの人も「田中さん」という知人のことを語る。 それが…という、ちょっとミステリータッチでもある。 結末はほろ苦く悲しいんだけど、一番若い女性の生きる姿勢に ちょっと救われる、というストーリーで、 男性の脚本なのに、ちゃんと女性への応援歌になっている。 そこが脚本家は若い(40代前半より下だろう)のではと推測した原因。 昔の新劇が偉そうだったのは旧世代の男の脚本家のせいに違いない。 女優さんたちのほうはベテランほど味があった。 特に中年の万引き女性を演じた山乃廣美さんが楽しかった。 無邪気なようで、とぼてて、毒もあり、情もあるという、 いるよなあ、私たちの世代にこういう人、と、 ものすごくリアルだった。拍手。 でも、一番若い女優の乙倉遥さんもキリリとして、好ましいタイプ。 こういう若い女性が確かに増えてる、と思う。 今の若い世代は男性が優しく、女性が凛々しいのだ。 帰りに上野で途中下車してチケットを取ってくれた友だちと、 延辺料理の店で羊肉串と老虎菜、土豆餅でざくろサワーを軽く飲む。 そしたら、いま人気のエドはるみは実はもとは円の女優で、 同期の男優さんによると、その頃から「色物」だったのだそう。 いや、でも、今日の女優さんたちプラス私の友人を見てると、 円がエドはるみを輩出したのは分かる気がする。 さすがは岸田今日子さんの後輩という感じである。 ただ、気になったのは、円の観客がめちゃくちゃ年齢層が高いこと。 新劇そのものを若い人が見なくなっているんだろうけど、 若い人はどうも出演者の友人たちって感じで、 観客の平均年齢は60才か? という感じ。 思わず劇団の将来性を危惧してしまった。 せっかくいい芝居してても観客がいなくなったら、終わりだものね。 |
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