|
北京滞在二日目。実は前日成田空港にいる時に 私が北京に行くことを知ったかのように姜文の秘書 から携帯に電話が入って、着いた次の日の午後、 訪ねていくことを約束していた。 何しろ彼のオフィスは今回借りた四合院から歩いて 五分の近距離。 家主のベルギー人のフアンは姜文の友だちでもあり、 阿姨によると二度ほどここにも来たことがあるという。 午前中は部屋でのんびりし、お昼は美術棺后街にある 三聨書店の北並びの「西安張家」に。 この店は友人のOが「ブルータス」の北京特集号で麺の美味しい店として 紹介している陝西小吃店。 羊肉のハンバーガーのようなものと辛い哨子扯麺という のが激ウマ。 麺は刀削麺にそっくりの太い手打ちきしめん風。スープは真っ赤で実に私好み。 小さくて小汚い店ながら昼時は満席、そこは中国人に習って食べている人たちの 脇に立って空くのを待つ。 午後1時半過ぎ、ブラブラと歩いて姜文のオフィスへ。 行った時、彼は妙に日本語と中国語の巧みなドイツ人を接客中。 久しぶりにうちの息子に会った姜文、すかさず、 「俺にも息子が出来たんだ。」とうれしそう。 「もちろん知ってるわよ。」と言うと、 「見たいか?」 「見たい、見たい」 というわけで、すぐに赤ちゃんのお母さんの携帯電話番号を教えてもらう。 実は彼女は『ヘブンアンドアース』のお坊さん役の女優で、 撮影中は私とルームメイトになったこともある。 北京でのスタジオ撮影時は子連れだった私、スタジオに入り中井さんの通訳を している間は出番の少ない彼女が息子のベビーシッターをしてくれていた。 「息子が出来たと知った時はすぐにビンビン(息子の幼名)を思い出したよ。 彼女はビンビンが大好きだったから、ビンビンのような男の子が欲しいと 言ってたんだよ。」と姜文。 うちの息子はなぜか中国人に受けがいい。 これも中国人の血のなせるわざか。 彼女と電話で話すと、小姜文が昼寝中なので目覚めたら すぐに連れて行くと言う。 その間、私たちは新作のラッシュの一部を見せてもらう。 映像はもう抜群に魅力的。早く本編が見たい。 ベネチアのコンペの後、中国公開は9月21日だそう。 日本の配給はまだ決まっていないとか。 早く決まって欲しいなあ。 物語に生後数ヶ月の赤ん坊が出てきて、映写機を操作する 助手に、 「これが小姜文でしょ?」と聞くと、 「そう、姜馬虎。」との答え。 「なに? 馬虎? また何でそんな名前を。」と驚くと、 「母親が午年生まれで父親が寅年だから。」 うーん、まあ、当然、幼名で学校に上がる時に学名つまり 本名をつけるのだろうけれど。 小姜文のママと6年ぶりの再会 ようやくやってきた小姜文は生後十ヶ月。見れば見るほどパパそっくりで、 抱っこすると何だか姜文を抱っこしているみたいで「不好意思」な気分になる。 目はママ似で、パパより少し大きいかな。 何よりすでに個性がはっきりしていて、息子がリストサポーターを 渡すとわざと投げ捨て、それを息子が拾うのが面白いらしく、 ケタケタ大笑いして、またわざと遠くに投げ捨てる。 それを飽きもせず十数回繰り返していた。 こういうところまで何だか父親に似ている気がする。 姜文が奥の部屋に引っ込んだのを見計らって、彼女に、 「男の子で良かったね。男が愛してると言っても、その言葉には 目的があるけど、息子が、ママ、愛している、と言うのは真実 だから。息子は母親にとって最後で最高の恋人よ。」と 自分の実感も交えて話す。 「私もそう思う。」と彼女。 実は今回、私は彼女にどうしても会ってみたかった。 というのは、密かに私たちの映画のヒロインにと考えていたから。 彼女の少年っぽい外観とさっぱりした性格がぴったりだと思ったのだ。 監督に話したこともあるのだが、 「でも、彼女、子どもを産んだから、若妻風になっていて、役に合わないのでは?」と 言われたので、是非、実物に会って変わってないかどうか確かめたかったのだ。 実際に会ってみた感じでは、母乳をあげているので少し痩せたものの、 雰囲気はほとんど変わっていないのでホッ。 物語を簡単に話すと、彼女も興味を持ってくれて、是非脚本を見たいと言う。 いまはまだ大幅に書き直しをしているところなので、とりあえず、物語の梗概を 送ることを約束。 そんな話をしていると、姜文が奥から出てきて、 彼も私たちの映画に興味津々の様子で監督のことなどを聞いてくる。 更には「俺の役はあるかな?」と言うので、 「あるある。ヒロインの1人の浮気の相手役なんかどう?」と言うと、 「(日本語で)女好き?」 この「女好き」という日本語は『ヘブンアンドアース』撮影中に私が教えたもの。 「そう。だから、演じるまでもないから楽でしょ?」と言うと、 「いや、それはやっぱり演じないと。仕事だから。」と神妙を装っていた。 姜文が友情出演してくれたら、こんなにうれしいことはない。 でも、こればかりは忙しい彼のことだから、もう少し具体的になった時に 彼にその時間があるかどうかだろう。 そんなこんなで夕方6時近くまで彼のオフィスにお邪魔。 夕食を一緒にする約束の友人たちが四合院に来ている時間なので、 暇を告げて、また歩いて北池子へと帰ったのだった。 |
| << 前記事(2007/07/31) | トップへ | 後記事(2007/08/02)>> |
| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|
| << 前記事(2007/07/31) | トップへ | 後記事(2007/08/02)>> |